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みなさんは洋楽でUKロックというとどんな音を思い浮かべますか?他の国のロックとどう違うのかなぁ?と思う方もおられるかと思います。そこで今回はこれぞ洋楽のUKロックと言えるアーティストを紹介していこうと思います。是非参考にしてみて下さいね。ちなみに僕の記事で以前紹介したUKロックミュージシャンは出来るだけ省いています。
Table of Contents
洋楽でおすすめのUKロック名盤
UKロックはブリティッシュロックとも言われ、哀愁感漂うメロディとクールなサウンドが特徴的です。名盤と言われるアルバムは数ありますが、僕自身の独断と偏見で選んでみました。よかったらチェックしてみて下さい。
1位:XTRMNTR ( PRIMAL SCREAM )
UKロックの代表的なレーベルにクリエーションレコードというレーベルがありました。そのレーベルの表の顔がオアシスだとするならば、裏の顔は間違いなくこのプライマルスクリームでしょう。
オアシスは、良くも悪くも音楽性にさほどの変化がないバンドですが、プライマルスクリームはアルバムごとに音楽性を変化させてきたバンドです。
このアルバムでも前作のダブロックからうって変わり、ポストパンク、エレクトロニカに政治的なメッセージをぶち込んだ、攻撃的なロックンロールを展開しています。
発売当時、セールス的には振るわなかたようですが、じわじわと評価が高まり、2000年代のベストアルバム100選の3位にランクインするほどにまでになりました。
クールなUKロックを聴きたいのなら、先ずはこのアルバムをおすすめします。
2位:The La’s ( The La’s )
80年代半ばにデビューし、カルト的人気を博して各表面から絶大な評価を得ていたロックンロールバンドの形上のデビューアルバムです。何故、形上かと言うと、バンドの意向に全く沿わない形でリリースされたアルバムだからです。
セルフプロデュースを望むバンド側の要求と、早くアルバムを完成させたいレーベル側の考えが噛み合わず、結果的にレーベル側がプロデューサーにアルバムを仕上げさせてリリースさせた、無理矢理感満載の作品になってしまいました。しかし、アルバムの評価は高く、多くの人たちに支持されています。
出身が、ビートルズと同じリヴァプールという事もあって、音楽的にもUKロックの真髄と言える雰囲気を持った楽曲に、新しさとノスタルジーをかんじますね。シンプルイズベストという言葉がピッタリくるアルバムです。
3位:ALADDIN SANE ( DAVID BOWIE )
1973年にリリースされた、デヴィッド・ボウイの6枚目のスタジオレコーディングアルバムです。デヴィッド・ボウイのグラムロック期の最中に作られた、もっとも勢いに乗っていた頃の作品ですね。
前作のジギー・スターダストの延長線上にありながら、そこにジャズやアートを色濃く反映して、どこにもない光り輝く作品を生み出した彼のセンスに、アルバムを通して聴くたびに脱帽します。
今回取り上げるにあたり改めて聴き直したのですが、70年代にこのレベルのロックンロールがUKに存在したかと思うと、時代のはるか先を行っていたんだなぁと感じて、羨ましくなります。
このアルバムのジャケットが余りにもカッコよすぎるので、レコードで所有したくなりますよ。
おすすめのUKロックバンド
こちらでは僕のお気に入りのUKロックバンドを紹介したいと思います。学生時代から聴いてきたバンドたちですからそこそこキャリアの長いバンドばかりです。なのでリリースしているアルバムも多いですからじっくり楽しんでもらえると思いますよ。
1位:NEW ORDER
1980年に事実上の前身バンドのジョイ・ディヴィジョンのボーカリスト、イアン・カーティスを自殺で失い、残されたメンバーの話し合いによって、バンド名を変更した後、活動を再開させたドラマティックな経緯を持つバンドです。
ポストパンクなイメージだったジョイ・ディヴィジョンとは音楽的に違うベクトルを持っていて、エレクトロニカ、シンセポップなどを取り入れ、新たな次元に昇華したニューオーダーの音楽は、多くの人たちに受け入れられました。
沢山のミュージシャンに影響を与えた存在ですが、今現在も健在で更に進化を遂げている事に、無限のパワーを感じます。
アルバムのアートワークも芸術性に優れ、最近でも天才デザイナーのラフ・シモンズが彼らのアートワークを自身のブランドのデザインに取り入れるなど、彼らに対する注目度はとどまることを知りません。
2位:Arctic Monkeys
2002年のデビューの時から大注目され、オアシス以来の超大物ルーキーとしてヒットチャートの上位に食い込む結果を残した、才能溢れるインディーロックバンドです。
デビュー当時はガレージロックを主体とした疾走感のあるロックンロールな音楽性でしたが、徐々にオルタナティブロックな色合いを見せ始め、カントリーやポップ、最近ではすごく大人びたオルタナティブオールディーズとでも言いたくなる様な音楽で、僕たちの耳を楽しませてくれています。
メンバーが普段好んで聴いている音楽も幅が広いらしいので、その辺が彼らの音楽の懐の深さに影響しているのでしょうね。
ボーカリストのアレックス・ターナーのルックスのよさは俳優並みですし、人気が出るのは必然だったのかも知れません。デビューアルバムから現在の最新作までの音楽性の変化に注目して聴いてみて下さい。
3位:Ocean Colour Scene
90年代のブリットポップのムーブメントに乗る形で瞬く間に人気を博し、時のバンドとして大注目を浴びましたが、ムーブメントの終焉と共に人気が落ち着いた感のあるバンドです。
しかし、その音楽性はブリティッシュロックの核の部分を見事に体現した音で、コアなブリティッシュロックファンの間では今でもとても人気のあるバンドです。
ex:THE JAMのポール・ウェラーとも親交が深く、彼らのアルバムに御大がたびたび参加しています。その事からもこのバンドのブリティッシュ色の濃さが伺えますね。
映画「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」で使われた、「ハンドレッド・マイル・ハイ・シティー 」のカッコいいサウンドを聴くだけで、彼らのセンスの良さが実感できると思いますよ。
年代別おすすめのUKロック
各年代で特に気になるバンドを選んでみました。ザ ・ブリティッシュロックなバンドから最新のハイブリッドパンクバンドまでバラエティに飛んだラインナップになりました。全部カッコいいので是非聴いてみて下さい。
80年代でおすすめのUKロック
80年代でおすすめのUKロックは「The Style Council」です。70年代後半にかけて大人気だったバンド、ザ ジャムを解散してまで結成された、ポップ、ソウル、ジャズなどを取り入れた、ポール・ウェラー率いるブルーアイドソウルバンドです。
ザ ジャムで見せていたパンクロックな手法とは真逆とも言える雰囲気の音楽性で、当時のファンは非常に驚いたでしょうね。
ここまでジャンルが違うと得てして拒否反応を示されてもおかしくなさそうですが、ファーストアルバムから大ヒットして、ポール・ウェラーという存在をUKロックの歴史にしっかり刻み込まむことに成功してしまいました。
今ではこのバンドを含め、彼から影響を受けたUKロックミュージシャンが数多く存在し、ブリティッシュロックの基礎になる部分を作った一人として尊敬を集めています。
90年代でおすすめのUKロック
90年代でおすすめのUKロックは「The Stone Roses」です。UKロックらしいメロディと、トリップを誘発するようなグルーヴで多くのロックファンのハートを鷲掴みにしてきたカリスマ的なロックンロールバンドです。
彼らのようなマンチェスターグルーヴは世界的にも有名で、彼ら以前にもフロアを揺らしてきたバンドはあるのですが、これほど完璧なメロディとグルーヴを併せ持つバンドは、彼らが最初だと思います。
普通、覚えやすいポップなメロディを持つ曲は単純に浸れるイメージがあるのですが、そこに独特のグルーヴが足されることで究極のトリップ感を誘発してきます。
僕は学生の時に初めてストーンローゼズを聴いたのですが、余りの気持ちよさに彼らのファーストアルバムを早く手に入れたくて躍起になって探した事を今でも覚えています。
オアシスをはじめとするマンチェスターサウンドの原点とも言えるバンドなので、是非チェックしてみて下さい。
2000年代でおすすめのUKロック
2000年代でおすすめのUKロックは「Franz Ferdinand」です。彼らの音楽を一言であらわすなら”踊れるロック”というのが一番適切でしょう。
それほど聴いているだけで勝手に身体が動き出してしまうほどのサウンドに仕上がっていて、トーキングヘッズのようなインディーロックな感覚をもちながら、それを見事にポップに昇華し、UKロックの伝統とフロアを揺るがすグルーヴが完璧な形でシンクロした、唯一無二のダンスロックを作り上げています。
女の子が踊れるロックというコンセプトのもと、結成されたバンドのようですが、今では女の子に限らず世界中のクラブサウンド好きにも愛されていますね。
家で一人で聴いていると、冗談抜きで身体が踊り出してしまうので、カーテンを閉めた事を確認してから聴くようにしましょう。
2010年代でおすすめのUKロック
2010年代でおすすめのUKロック「black midi」です。2010年代後半に突如現れた大注目のニューカマーバンドです。
音楽的には結構玄人好みだとは思いますが、爆発的なエネルギーを次々繰り出してくる彼らの音楽は、ライブ好きにはたまらないと思いますね。
ポストパンクやインディーロックのカテゴリーに入ってくる音ですが、インプロビゼーションを核としたパフォーマンスはスリル満点のアクティビティのようで、音の緩急の付け方や変則的なリズムの切れ味に異常なくらい耳が惹きつけられます。
来日公演を観に行きましたが、気持ちいいくらいライブに集中していて、無駄に愛想を見せないところが逆に良かったですね。
かと言って日本が嫌いなわけではないらしく、日本のアニメやゲーム、日本のオルタナティブロックからの影響を色濃く受けているようです。
王道には無いカッコよさを感じたい人におすすめです。
2020年代のUKロック
2020年代のUKロックは「IDLES」です。バンド結成自体は2012年と10年近く前なのですが、注目され出したのが2010年代後半で、最近乗りに乗っているバンドなので取り上げる事にしました。
ジャンルとしてはポストパンクという事になると思うのですが、もっと原液に近いというかオールドスクールパンクといった感じで、元々パンクが持つ荒々しさをしっかりと体現しています。
それに加えて各パートのリフやリズムのセンスが抜きん出ていて、初めて聴いた時から只者じゃない雰囲気を醸し出していました。
ライブに非常に定評があり、ど迫力なライブパフォーマンスは世界的に注目度が高く、同世代のバンドでは一つ頭出た存在だと思いますね。
アルバムを聴くともう少しアートパンクよりに聴こえたりしますが、実際のライブを観ると印象がかわるそうですよ。
【カテゴリー】洋楽のおすすめシングル(ロック)
まとめ
少し前の記事でもイギリスの音楽を取り上げましたが、今回はもう少しフォーカスしてUKロックというテーマで展開してみました。同じロックでもUSロックとは又違った魅力がUKロックにはありますね。クールさやインテリジェンスでは彼らブリティッシュロックの方に軍配が上がるのではないでしょうか。
とは言えそれぞれの国の特色の違いはリスナーにとって耳を肥えさせる肥料になってくれますし、色々なタイプの音に触れる事を楽しんで頂けたら嬉しく思います。では又次回の記事でお会いしましょう。
洲見定彦:ミュージックコンサルタント
洋楽邦楽問わず音楽に精通し、店舗経営者などから「お店に相応しい音楽をセレクトして欲しい」という依頼を多数受ける。
お店の雰囲気や客層に合った音楽をセレクトすることで、良いPRになると評判を呼び、ミュージックコンサルタントとして現在活躍中。