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普段の生活の中で、何気なく行っている行動に対して音楽をセレクトし鳴らしてみると、又違った景色が見えてくるものでその時見えているもの、味わっているもの、感じていることの価値が相乗効果で膨れ上がるのを実感していくたびに、僕は音楽の持つ力を確信しています。
今回はそんな普段の生活の中でも多くの人が行なっている「ランニング」に注目したいと思います。
体力作りやダイエット、色々な理由で走る方がいると思いますが、そんなランニングというシチュエーションに音楽を付けると、どんな世界が広がるのでしょうか。
それでは早速紹介していきたいと思います。
Table of Contents
ランニングで聞きたいパワーソング
さぁ!今から走り出そうという時にもってこいなのがこのパワーソングというヤツではないでしょうか。
基本的には力強さと優しさをテーマに選んで見ました。とにかく気持ち良く走り出すのが一番です。楽しみながら走る第一歩目にいかがですか?
Beautiful (Superfly)
優しくも力強い彼女の歌声が、今から走り出そうとする気持ちを後押ししてくれる、最初に聴くにはもってこいの楽曲です。
ストリングスとバンドの絡みも絶妙で、やる気に満ちた高揚感を演出してくれるので、後は走り出すだけという感じに勝手になりますね。始めに気持ちを乗せたい時におススメです。
Into the Sky (Sawano Hiroyuki[nZk])
アニメ、ユニコーンガンダムの主題歌だった曲です。曲名通り、一瞬にして空に吸い込まれるような壮大な楽曲で、ガンダムだけに少し宇宙を感じられる気がします。
走るというより翔ぶに近いのかもしれませんが、それくらいのスピード感と浮遊感を同時に味わう感じはなかなかないと思うので、ひらけた景色の場所で聴くと、よりテンションが上がるかもですね。
兵、走る (B’z)
1ヶ月半に渡り盛り上がりましたラグビーワールドカップのイメージが非常に強いこの曲ですが、読み方は「へい、はしる」ではなく、「つわもの、はしる」だそうです。
タイトル通りとても男クサイ楽曲で、彼らのパワフルでハイクオリティなライブでの盛り上がりが容易に想像できます。
歌詞にある「ゴールはここじゃない、まだ終わりじゃない」というあたり、もう一度ギアを上げたい時にならしたい音楽ですね。
bgmのように聞きたいランニング曲
ここでは出来るだけ心が軽くなりそうな曲をセレクトしてみました。曲としての良さもさることながら音としての心地よさを重視しています。
少し疲れてきた時にリラックス効果のある音楽と共に走ると重さも軽さに変換されるかもしれません。
道 (宇多田ヒカル)
サントリー天然水の本人出演のCMでも爽やかに流れていた曲です。彼女的にも再スタートを切った最初のアルバムの一曲目ということで、力が入りそうなところ、この様な軽快な曲を持ってくるあたり心の余裕がそうさせたのでしょうか?
歌詞の内容は母親のことなので少し重めですが、サウンドの清々しさと声のトーンが以前より優しくなっていて、憂いのある前向き感が柔らかな強さを感じます。軽快に走っている時になると嬉しいかもですね。
新宝島 (サカナクション)
オルタナティブロックとエレクトロニカを絶妙にブレンドしてくる彼らの11枚目のシングル曲です。
この曲では以前以上にポップ感が増して、ダンスミュージックとしての機能とポップミュージックとしてのスタンダードが高いレベルで融合していて、自然と足取りも軽くなりそうですね。
この曲であれば少しくらい疲れていても身体の負担になりにくい音だと思うので、結構万能な曲だと思います。
VOICE (Nulbarich)
ポップ、ダンスミュージック、アシッドジャズなどのジャンルの融合に高いレベルで成功している数少ないグループです。
和製ジャミロクワイ的な感覚のある音で、とてもお洒落に響いてくる音楽ですね。
この曲もいい意味で走る人の邪魔になりにくい音楽で、かといって引っ掛かりもしっかりあり、主張してくるのに優しい貝ベースの塩ラーメンの様です。
走っているとどこかでこういう音楽が聴きたくなりますね。
おすすめのアップテンポな邦楽
こちらではとにかく疾走感のある曲を選んでいます。「気合い入れてとばすぜ!」なんて時にもってこいな曲ばかりですので、負けそうな心を蹴飛ばしたい時に是非、聴いてみてください。「逃げるんじゃねい!」的な気合いを込めてどうぞ。
NIPPON (椎名林檎)
2014年のNHKサッカーワールドカップのテーマ曲になっていましたね。椎名林檎らしさもありながら、疾走感のある素晴らしい楽曲です。歌詞の内容に関して右寄りだとかいう批判もあったようです。
わざとなのかなぁと思う箇所はありますが、そこまで気になる内容ではないように思います。
とにかく自分自身を奮い立たせる時にならしたい音楽だと思いますし、一旦休憩した後なんかに良いかもしれないですね。
Rise (菅野よう子 feat ORIGA)
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG主題歌として作られた曲です。攻殻機動隊の世界観を見事に表現したアニメ史に残る名曲だと思います。
ロシア語と英語が混在した歌詞が独特の雰囲気を醸し出していて、疾走感のあるとてもカッコいい曲ですね。以外と夜のビル街なんかを走るのに向いている曲かもしれないですね。
少し主人公、草薙素子の内面に入っていくような疑似体験を味わいながら走ってみてはいかがでしょうか。
アンビリーバーズ (米津玄師)
とにかくメロディが気持ちいい曲です。ギターを使わず、打ち込みとピアノでここまでパワフルな印象に仕上げたのは単純に凄いですね。
流れるようなメロディの上を、フットワークの軽いボーカルが乗り、一つの塊になって疾走していくような感覚は、まるでスケートボードの上手い人を見ているようで、なんとなく見惚れてしまう感じですね。気持ちを調子付かせて走る時に便利だと思います。
マラソンのような長距離で頑張れる曲
長距離でずっと気合いを入れ続けるのは無理がありますので、ここでは楽しくなれる曲、優しくなれる曲をセレクトしてみました。これで少しでも気持ちが軽くなる効果があると信じています。
信じ切れば何とかなります。なるはずです!
DAN DAN (THE YELLOW MONKEY)
つい先日リリースされたばかりのイエローモンキー最新シングル曲です。曲調が聴いていてとても楽しくなる感じで、今までの彼らのシングル曲の中でも、ポップでカラフルな可愛らしさのある曲ですね。
ですがそれだけでは終わらない、ロックンロールが根底にあることがイエローモンキーというバンドを他とは違う存在にしているんでしょうね。楽しい気分になりたい時に良いと思います。
イージュー☆ライダー(奥田民生)
マシーンに乗って走る用の曲なんですが、ランニング用としても気持ちが軽くなる効果がありそうな曲ですね。
年代はだいぶ前の曲ですが、バラエティ番組の「旅猿」で使われているので知っている人は多いかもしれません。
ずっと張りつめた空気感の中で走っているのは疲れます。
少しゆったりと景色を眺めながら余裕を持って走りたい時におススメです。
優しいあの子 (スピッツ)
NHK連続テレビ小説「なつぞら」の主題歌として使われていたので、お茶の間での認知度も高い曲だと思います。
スピッツの曲は、いつまでたってもクオリティが下がらないのがすごいですね。いつ、どんなシチュエーションで聴いてもはまらない時がないですし、この曲も心底安心して聴いていられます。
上2曲同様、安定した心持ちでいたい時にいいのではないでしょうか。
ランニングでおすすめのアルバム
アルバムで聴くとなると、ずっと疾走されると鬱陶しいですから、出来るだけゆったりとしたアルバムをセレクトしています。
癒し効果がありながら引っ掛かりのある音にフォーカスしていますので、是非試してみてください。
Mellow Waves (Cornelius)
前回のアルバムから10年以上ぶりにリリースされた久々のニューアルバムは、ゆったりしながらとても刺激的な内容に仕上がっています。
前のアルバムではよりインストに近い印象でしたが、今回はぐっと歌モノ感が上がった気がしますね。
他のミュージシャンのサポートなどを経て、感覚が変わってきたのかも知れません。
ところどころ刺激を受けながら、長い時間聴いていても耳の負担にならない、長距離を走るのにとても向いたアルバムだと思います。
UTAU (大貫妙子 & 坂本龍一)
坂本龍一の曲に、大貫妙子が歌詞をつけて歌うというピアノと歌だけのとてもシンプルなアルバムです。しかしピアノと歌だけでこんなにも濃厚な世界観が表現できるものなんですね。
とてもしっとりと癒しに包まれた空気感を演出してくれるのですが、一つ一つの音に深い悲しみや喜びを含んでいて、茫然と立ち尽くしてしまいそうなくらい心に響くアルバムだと思います。
一見走るのには不向きなようですが、ある種の悟りの境地に達している感じがするので、早朝の静かな時間に走る時にハマる気がします。
植物男子ベランダーENDING SONGS (大橋トリオ)
1人で大橋トリオというと不思議な感じがしますが、ジャズのビル・エヴァンストリオみたいなニュアンスですね。
このアルバムは「植物男子ベランダー」というドラマで使われたサントラの様なアルバムなのですが、全ての曲のメロディが素晴らしいです。
ゆったりした曲でもリズミカルな曲でもとても心地よい雰囲気が漂っていて、彼の声のトーンも相まって至福の空間を創り出してくれます。夕方に聴くのがおススメですね。
ランニングにおすすめ音楽ランキング
では僕自身が選ぶランニングにおススメの音楽ベスト3を発表したいと思います。とにかく気持ち良く走れることに重点を置いて選んでみました。
どれだけ皆さんの共感が得られるか分かりませんが、少しでもあなたのセンスに触れるようなら一度試してみてください。
1位 Wested Night (ONE OK ROCK)
映画「キングダム」のエンディングで使われた曲です。ゆったりとした感触で始まって、だんだんと盛り上がり、サビでドン!と広がるという言わば王道の展開なのですが、これがいちいち気持ち良くツボに入ってきて、心を鷲掴みにされるので、結果何度も聴いてしまってちょっとクセになりますね。
頭の中で壮大な景色が一瞬にして広がるのを感じられるので、イヤでも目線は遥か向こうに設定されます。走り出しに最適な曲です。
2位 大不正解 (Back Number)
こちらも映画「銀魂2」のエンディングで使われていましたね。バックナンバーというとしっとりとしたバラードのイメージが強いように思いますが、この曲はかなり疾走感のある曲です。
ですがやはりというか流石というか、疾走感に波乗りするかの様に素晴らしいメロディが駆け抜けて行きます。
この曲もかなり中毒性が高く、映画の面白さも相乗効果になり、僕自身のリピート率も上がりましたね。「ここからもう一段階上げたい」という時におススメです。
3位 STAY TUNE (Suchmos)
ジャズ、ファンク、ソウル、ロックと色々な要素を含んだ彼らの大ヒット曲です。この曲でSuchmosを知ったという方も多いのではないでしょうか。
クールに疾走していく感覚がちょっと日本人離れした感もあって、洋楽好きな人にも受けの良い感じが伺えますね。
バンドの演奏に懐の深さを感じるあたり、こういう曲だけではないであろう彼らの凄みと、こういう曲だからこそ発揮される彼らの良さがビンビン感じられる仕上がりになっています。夜の街を走るのに良いと思います。
まとめ
色々な曲をセレクトしてきましたが、いかがだったでしょうか?とかくランニングというと疾走感のある曲をセレクトしがちですが、大事なのは音の感触だと思います。
どんなに良い曲でも走っている時の感触とあまりにズレてしまうと、せっかくの楽曲も台無しになってしまいます。「心地よい」をキーワードに選んでみることをオススメします。
それから走りなれてくると、自分が何分でどの辺りに到着するか分かってくると思うので、ここでこの曲を聴きたいとかこの景色の時にこの音が欲しいなど、曲の分数を調節しながらパズルのように当てはめたプレイリストを何種類か作ってみるのもオススメです。
さあ、これで明日からのランニングがよりいっそう楽しいものになりますよ!存分に音楽とランニングを楽しんでくださいね!では、また当サイトに遊びに来てください。
洲見定彦:ミュージックコンサルタント
洋楽邦楽問わず音楽に精通し、店舗経営者などから「お店に相応しい音楽をセレクトして欲しい」という依頼を多数受ける。
お店の雰囲気や客層に合った音楽をセレクトすることで、良いPRになると評判を呼び、ミュージックコンサルタントとして現在活躍中。