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2018年の洋楽ランキングを、1位から20位まで一気に紹介します。全体的な特徴や曲調、どんな曲が流行っていたのか、ぜひ参考にしてください。あなたの好きな曲やアーティストはランクインしていたでしょうか?
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2018年洋楽人気ランキングの特徴
全体的にはヒップホップ、R&B、ポップス、これらをクロスオーバーさせた楽曲がヒットした傾向にあります。ヒップホップに関しては時代の流れなんでしょうか、ガチャガチャとウルサイ感じではなく、よりメロウに、よりソウルフルになっているように感じます。
ただヒップホップ、R&B、ポップスが流行るのは何もこの年に限らず最近は毎年のような気がしますが、より歌っている個人より、楽曲に目がいくように少しはなってきた感じもするので、良い事ではないでしょうか。
洋楽Hot 100 トップ10
やはりドレイク、ポスト・マローンなどヒップホップ勢がより多くランクインしていますが、カントリーやキューバ音楽など土臭さを感じる土着的なジャンルがブラッシュアップされているとはいえランキングに入ってくることは、歓迎すべきことだと思います。
その中で唯一異色なのがmaroon5ですね。彼らだけがバンドで、ソウルやR&B、ポップスなどを取り込んだ音楽性とはいえ、基本はロックバンドなので、多様性をランキングに求める僕としては、嬉しいことです。
1位 GOD’S PLAN Drake
もはや Hip-Hopという概念で語られるべき音楽なのか疑問に思えるくらいポップに響いてくる楽曲です。MVがとても話題になりました。
ビデオを作るにあたってレーベルが渡した約1億円を、貧しい人やスーパーで買い物をしている人、学費の払いに困っている学生などに配っていくという、前代未聞なプロジェクトを立ち上げ実行してしまった彼の行動力には脱帽ですね。
現代社会では偽善者と揶揄され、炎上してもおかしくない行為ですが、気にすることなく”神の計画”を遂行したことで、彼のキャリアに又新たな光明が差したように感じます。
彼自身も、この曲の混沌とした想いから少しは解放されたのではないでしょうか。
2位 PERFECT Ed Sheeran
曲も歌詞もとてもシンプルですが、それがメロディを浮き彫りにして、人の心に深く入り込んでくる音になっているのではないかと思います。
この曲での彼の歌声は一人の女性を大切に思っている優しさに満ちていて、柔らかながら壮大さも感じさせるような果てのない心を表現しています。
“この想いは永遠に変わらないんだ”と一つ一つのメロディから溢れ出ているようで、大切な気持ちを心から伝えたいという想いを、強くかんじるとともに、彼のミュージシャンとしての可能性も感じさせる曲に仕上がっています。
3位 MEANT TO BE Bebe Rexha & Florida Georgia Line
エミネムとリアーナのコラボで大ヒットした”The Monster”のソングライター、ビービー・レクサとアメリカのカントリーデュオ、フロリダ・ジョージア・ラインのジャンルを超えてクロスオーバーヒットしたスーパーコラボソングです。
ビービー・レクサは元々、作曲家として評価の高かった人ですが、ここに来てシンガーとしても評価が上がってきて、カントリーの枠を超えたポップシンガーという評価に変わってきたようですね。
メロディはカントリーなのですが、バックのアレンジがEDM風のポップスで、デュオの二人の安定感のある歌声と彼女の独特の絞り出すような歌声がブレンドされて、ある種の恍惚の世界を描き出しています。
4位 HAVANA Camila Cabello Featuring Young Thug
カミラ・カベロはガールズグループ、フィフス・ハーモニーのメンバーとして活動していましたが2016年に脱退し、翌2017年にソロ活動を開始しました。
この曲はヤング・サグをゲストに迎えてラテンを取り入れながら、ほんの少し故郷のキューバフレィバーを感じさせるメロディがスパイスになっていて、懐かしさが見え隠れする楽曲になっています。
とても魅力的な声の持ち主なのですが、見た目もすごく魅力的な人で、小柄な身体で魅惑全開に踊る彼女を観ていると、自然と顔がほころんできて、只のエロおやじに成り下がりそうになります。
5位 ROCKSTAR Post Malone Featuring 21 Savage
超人気ラッパー、ポストマローンが若手ラッパー、トゥエンティワン・サヴェージとコラボした”金と女と酒とクスリ、全部手に入れてこそロックスターだぜ”的な曲です。
ヒップホップアーティストでありながら歌も器用にこなす彼のセンスの正体は、幼い頃から父親の影響で、メタリカやメガデスを聴いていたり、日本のアニメ”犬夜叉”が好きだったり、BABYMETALのTシャツを着ていたりと色々なものに興味があり、その集合体としての彼の音楽ということではないでしょうか。
この曲のトラックも偶然知り合った学生の作ったものに彼が反応した結果であるらしいので、ここでも凝り固まっていない彼の柔軟性が功を奏したということですね。
6位 PSYCHO Post Malone Featuring Ty Dolla $ign
またもやポスト・マローンですが今回はLAの人気ラッパー、ソングライター、プロデューサーのタイ・ダラー・サインをゲストに迎えて放たれた、オレたちリッチだぜ宣言曲です。
結構フレーズが繰り返されるところが多く、中毒性のある楽曲で、聴けば聴くほど曲の良さが実感できるように感じます。
ヒップホップ系のMVには、セクシーな女性たちをはべらした映像を想像する人が多いと思うのですが、出てくるもののメインが戦車です。
曲とは余り関係がないようですが、自慢もここまでくれば笑えるので、これはこれで良いのかもしれないですね。
7位 I LIKE IT Cardi B, Bad Bunny & J Balvin
ヒップホップ界のニューカマー、カーディ・Bとバッド・バニー&Jバリヴィンのアフロラテンバリバリの天真爛漫コラボ曲です。
サンプリングの元ネタはピート・ロドリゲスによる1967年のヒット曲、I LIKE IT LIKE THATなのですが、元曲のサルサ、トロピカルな感じに独特の前のめりリリックも功を奏して、彼女の破天荒キャラが存分に生かされた名曲に昇華されています。
彼女の過去に引っ張られることの無い強いメンタルを感じる部分と、少し寂しさを感じる部分もあり、手に負えないけど魅力的な女の子を眺めているようなそんな気がする楽曲です。
8位 THE MIDDLE Zedd, Maren Morris & Grey
この曲はドイツのプロデューサー、ゼッドとアメリカのプロデューサー、グレイがカントリーシンガーのマレン・モリスを迎えてコラボレーションした、2018年を強く感じさせる音が詰まった名曲です。
時計の音とともに静かに始まり、音数を少なくしてじわじわと持って行き、2回目の”baby”で音が一気に増えて、みんなが繰り返し歌いたくなるフレーズに突入していきます。
サウンドメイキングがEDMを強く感じさせ、今世界が欲している音の塊に身を委ねていると、身体が勝手に動き出してしまう感覚に心地よさを覚えます。
9位 IN MY FEELINGS Drake
やはりこの人のメロディは人の懐に入り込むのがとにかく上手い印象があります。
この曲の入ったアルバム、”SCOPION”ではヒップホップサイドとR&Bサイドに分かれている二枚組で、この曲はR&Bサイドに入っています。
バックトラックの作り方から彼のメロディ、声の感じまで多くの人に愛されそうなfeelingが漂っていて、決してパーティーソングではないのですが、身体が勝手に動き出してしまうヴァイブスが感じられます。
リリックの内容自体は僕自身はそんなにピンとこなかったですが、独特で浮遊感のあるフロウに上手く言葉一つ一つがハマっていて、すぐに口ずさんでしまうほど癖になってきますね。
10位 GIRLS LIKE YOU Maroon 5 Featuring Cardi B
よくあるラブソングも彼らにかかればこうも爽やかになるものなんですね。いつもながら彼らの清涼感にはこちらの感覚も癒されます。
この曲のMVにはカミラ・カベロ、ジェニファー・ロペス、リタ・オラ、メアリー・J・ブライジなどのミュージシャンからフィービー・ロビンソン、サラ・シルバーマン、ティファニー・ハディッシュなどのコメディアンも参加しています。
他にも人気司会者、ユーチューバー、スポーツ選手、政治家など各界の女性有名人が一堂に会してかなりインパクトのあるビデオになっています。
コラボ相手のカーディー・Bはもちろんのこと、極め付けはVoのアダムの奥さまも参加されていてとても穏やかなMVになっています。
洋楽Hot 100 2018年ランキングトップ11位~20位
11位から頭の方はヒップホップでもよりディープな感じのする楽曲が並んでいますが、半ばあたりからセクシーでポップな楽曲が顔を出してきます。
見た目だけではなく、より実力を評価された人たちがランクインしているようなので嬉しい限りですが、こちらの方はもう少し多様性が欲しい気がします。
とはいえ楽曲の構成が面白いもの、歌詞がダウナーでグランジ、オルタナティブを感じさせるものもあり見るべきところはたくさんあるので、十分楽しめるランキングになっています。
11位 NICE FOR WHAT Drake
2018,TOP20に入ったドレイクの曲の中で一番ヒップホップ色の強い曲です。サンプリングの元ネタは1998年にヒットした、ローリン・ヒルのアルバム「The Miseducation Of」から”Ex-Factor”という曲を早回しで使っていて、流石にヒットソングを連発する人らしくセンスの良いアレンジに仕上げてきていますね。
“care for me”という言葉を何度も何度もループさして心地よさを作り上げておいて、そこに鋭いリリックをかましてくる彼の感覚の確かさが垣間見えるトラックになっています。
12位 LUCID DREAMS Juice WRLD
アメリカ、シカゴの若干19歳の新人ながら、去年大ブレイクを果たしたラッパーです。EmoRapなどと言われるメランコリックで浮遊感のあるスタイルを武器に大活躍中の彼ですが、少し問題が発生しているようです。
この曲でサンプリングに使われている、スティングの”shape of my heart”について、サンプリングではなく改ざんだとクレームがついたようです。
ヒップホップ的解釈ではなくメロディがあるからダメなのでしょうか?
コード進行が全く同じでも、違う曲になるくらいだし、元ネタは明確にしているのですからべつに良いような気がします。
スティング自身は以前この曲に対して素晴らしい解釈だと言っていたそうです。
13位 BETTER NOW Post Malone
ランクイン3曲目のポスト・マローンですが、ポップでmellowな中に音楽的な才能、センスがずば抜けてカッコいい曲が入ってきています。
メロディの美しさとクールなフロウによって描き出されるリリックは、昔の彼女への当てつけ、後悔、ノスタルジーなど引きずり感満開なのですが、いやらしさはあまりなく非常にカッコ良く、優れた名曲がそこに横たわっているようです。
MVでは、この曲のライブパフォーマンスで有名な、観客の履いている靴にお酒を注ぎ、飲み干すという謎のパフォーマンスを行っていて、ワイルドなような、ただ汚いだけのような変わったことをやっています。
何がしたいのかは不明です。
14位 FINESSE Bruno Mars & Cardi B
ハワイ出身のシンガー、ブルーノ・マーズが破天荒フィーメールラッパー、カーディ・Bをゲストに迎えて新たにシングルカットした、アルバムの中でも人気のあった曲です。
曲の冒頭から繰り出されるカーディ・Bの小気味よいラップで幕を開け、続けざまにセクシーシンガー、ブルーノ・マーズの艶っぽい歌に酔いしれて、最後に又カーディ・Bのラップで締めくくるという、カーディ・Bでブルーノ・マーズをサンドする形をとっています。
曲としてのクオリティもさることながら、MVもビンテージ的クオリティが高く、90年代の人気コメディ「In Living color」へのオマージュが捧げられています。
15位 BOO’D UP Ella Mai
イギリス出身ながら本格派なR&Bシンガー、エラ・メイのデビューアルバム「Ella Mai」に収録されているリードシングル曲です。
ビルボードもローリングストーン誌も大絶賛しているそうで、流行り廃りの激しい昨今のミュージックシーンにおいて、そんな事柄とは完全に距離を置いても通用するだけのセンスを持った人が久々に現れた感じですね。
本国イギリスよりもR&B土壌がしっかりしているアメリカの方がヒットしているようで、そのことからもいかに本格派かを物語っています。
派手さは無いのですが、何度も聴きたくなるような感触がして本当に何度もループしてしまうほどクセになる楽曲です。
16位 NEW RULES Dua Lipa
コソボにルーツを持つイギリス出身のシンガーソングライター、デュア・リパの、曲の構成が非常に完成度の高いR&Bに仕上がっているロングヒットソングです。
特筆すべきは彼女の声ですね。女性にしては少し低めなトーンだと思うのですが、とてもセクシーな声を持っています。後、月並みですが初めて見た時から”美しい人”という印象です。
濃いめの眉毛に色っぽい唇、173cmの長身に”足長っ!”と思ったらモデルもやっているそうで、いろんな方面で活躍できそうなポテンシャルを感じます。
17位 SAD! XXXTENTACION
とても才能のあるアメリカのラッパー、音楽プロデューサー、ソングライターでしたが、2018年6月18日にフロリダ州のディアフィールドビーチで銃撃にされ、亡くなっています。
事件の詳細はあまり分かりませんが、暴力沙汰をよく起こし、刑務所に出たり入ったりしていたようです。
音楽的にはメタルやグランジからの影響が伺え、ヒップホップとしてはかなり革新的なサウンドを構築していて僕自身は好感触を得ていたのですが、それだけに残念でなりません。
グランジからの影響がリリックに反映されている感はあったのですが、人に命を奪われたとはいえ少し運命的なものを感じてしまいます。
18位 NEVER BE THE SAME Camila Cabello
2018年ランキング、2度目のランクインを果たしたカミラ・カベロですが、このバラード曲ではセクシーなハスキーボイスと、とても美しいファルセットを行き来して描き出される魅惑の世界へと導いてくれます。
MVでは、冒頭のプライベート感と、途中合間に挟まっている近未来的なドレスを身にまとい構築された、フューチャリスティックな空気がスピリチュアルを助長しています。
今回は出身地のキューバ的な雰囲気は、なりを潜めてますが、ところどころに彼女の歌声からはハバナの雰囲気がにじみ出ていますね。
19位 LOVE LIES Khalid & Normani
アメリカのR&Bシンガー、カリードとフィフスハーモニーの一人、ノーマニ・コーディの二人が織りなすソウルフルなコラボ曲です。
フィフスハーモニーといえば元メンバーにカミラ・カベロがいますが、ノーマニは現メンバーでソロとしても活動していくということのようです。
曲の冒頭ではカリード一人で歌い出して、途中からノーマニ・コーディが参加するという形をとっていて、二人の声の絡みも聴きどころなのですが、MVでのノーマニの妖艶なダンスに心が奪われ、釘づけにされる感じは何度でも味わいたくなり、又PLAYボタンを押してしまいますよね!
20位 NO TEARS LEFT TO CRY Ariana Grande
アメリカのシンガーソングライターで女優でもあるアリアナ・グランデの復活を高らかに宣言した力強い名曲です。
2017年5月22日にマンチェスターアリーナでおきた爆破テロはアリアナのコンサート会場でした。
22人の犠牲者、54人の怪我人を出す大惨事になったのですが、悲しみや恐怖から立ち直り、上を向いて上昇して行こうとする彼女の想いが音楽に乗って、最上級のポップネスに昇華しているのを見ていると、こちらまで何か勇気を貰えた気がします。
アイドルシンガーとして捉えられることの多い彼女ですが、最近一回りも二回りも大きくなって、存在感が増してきたように思います。
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洲見定彦:ミュージックコンサルタント
洋楽邦楽問わず音楽に精通し、店舗経営者などから「お店に相応しい音楽をセレクトして欲しい」という依頼を多数受ける。
お店の雰囲気や客層に合った音楽をセレクトすることで、良いPRになると評判を呼び、ミュージックコンサルタントとして現在活躍中。